問題やデザインに世界観を取り入れる(改良は必要)
世界観を取り入れたドリルというのは、問題文やデザインをその世界観と関連したものにします。
就学前の算数において数処理という領域で、数詞・数字・具体物を関連付けられるようになることが求められます。その際に、具体物を学習者のなじみ深いものを使う事で取り組みやすくします。例えば、「入学準備MINECRAFT(2025)」というドリルでは、具体物をゲームに登場するアイテムやmobの画像にしています。
つぎに、漢字演習や文章読解についてです。この場面では、例文を身近なものや、学習者が興味を持てる内容にすることで取り組みやすくさせることが出来ます。「うんこドリル(2019)」では、すべての例文にうんこを登場させています。

しかし、世界観を取り入れたドリルであった方がよい場面と言うのが少ないので、現状多くのドリルが表紙だけIPを取り入れ、大きく問題文の変更をしないものになっていると思われます。たとえば、「ポケモンずかんドリル(2023)」ではイラストとして、ポケモンは各ページに登場しますが、問題文には出てきません。
ドリルに用いられるシールの発展
市販の教材では、ドリルにシールが付属していることがある。基本的にはページが終わるたび採点ともにシールを学習者に配布し、学習習慣をつけることを目的にしたものと考えられる。 学研のHPには1983年からシールを用いた学習を取り入れている。そこから、世界観を取り入れたドリルをさらにシールで高めた表現がある。「ドラゴンドリル(2019)」は、ドリルの各ページにシールを貼るのではなく、目次のつぎのページにある「ふういんページ」というシール貼り付け専用のページに貼る。 また、シールにも工夫が凝らされていて、「ふっかつシール」と名付けられたシールはドラゴンの1枚絵が6等分または9等分されたうちの1枚になっていて、それが全体像がわからない並べ方で台紙に並べられている。 ページの問題が終わるたびに、ふっかつシールをふういんページに張り付けることで、ドラゴンの1枚絵を完成させるピースになるという形になっている。また、ドリルの内容についても1冊につきいくつかドラゴンファンタジーの世界観が取り入れた問題がある。
これを参考にしたのか、「ポケモンずかんドリル(2023)」では、各ページにポケモンのシールを張り付けるだけでなく、ふういんページに対応するポケモンずかんボードに張り付けることで図鑑を完成させるという1枚のシールより大きな目標を目指させるようにしている。

そして、特筆すべきはドラゴンドリルと同じく学研の「マジカルオシャレドリル(2024)」である。このドリルは、シールを組み合わせて主人公のコーディネートを完成させる仕組みになっている。ただ、ドラゴンドリルとは異なり、1枚の長方形の絵を完成させるのではなく、人間の形を再現するようになっている。
ドラゴンドリルに対して進化した点が二つある。 コーディネートは人間の形なので、ドラゴンの1枚絵とは異なり完成形は複雑な形状になる。シールを使ってコーディネートを順に作り上げるために、シールの上にシールを貼る場所を灰色の柄として追加しているという工夫がなされている。 これにより、最初に下着姿のシールを使わなくてもよくなり、さらに、脚から順にコーディネートを完成させていくようなシール構成にすることが出来るようになっている。そして、立体感や重ね順を表現できるので、デザイン空間も拡張されている。
次に、シールの貼り付け順序が柔軟になっていて、多くの場合最も重要な顔周りのシールが最後になっており、「コーディネートの全容が分かってやる気がなくなる」という事を避ける仕組みになっている。画竜点睛のアイデアが取り入れられている。
コラム トークンエコノミー法による説明
目標となる行動を強化するため方略として、トークンエコノミー法というのがあります。
トークンエコノミー法とは、標的行動(目標とする行動)を行った際にトークン(代用となる報酬)を与え、それを一定数集めることで、子どもにとって価値のある報酬(バックアップ強化子)と交換できるようにする行動強化の方法です。
先に紹介したシール付きドリルに当てはめると
バックアップ強化子は、ドラゴンのイラストの完成や、コーディネートの完成で
トークンは1枚のシールです。標的行動はドリルを主体的に取り組むことです。