Behind Coleus

大学生なのに特別大学で楽しいことが一 つもない。虐待と男子校病のせいにしてみる。→日本脱出しました 今ジャカルタにいます。→ジャカルタから帰ってきました。→6月19日から小笠原沖で、インドネシア人とメカジキ漁

ゲーム性のある表現

ゲームやその結果にプレイヤーの関与が存在することは、ゲーム体験の中核である。

 

あるカードゲームの首席デザイナー(2018)はこう言った。女児本でも、読者の選択を取り入れて、結果が変化する表現がある。それが「心理テスト」や「心理ゲーム」。
読者は主人公の状況をシミュレーションして選択を行い、それに応じて異なる診断結果にたどり着く。心理と銘うたれているが、診断は科学的根拠にとぼしく批判の的になりがちである。しかし、エンターテインメントとしての発展はいたって心理学に基づいている。


ゲームブックを取り入れた心理ゲーム

 

ゲームブックとは、順にページを読むのではなく主人公の選択をもとにページを移動し物語を展開させる書籍のことである。ナツメ社『心理テスト 大集合スペシャル!(2022)』では、大正ロマン館という建物に迷い込んだ主人公が脱出を試みるという設定のもと読者が謎解きをしつつ、読み進める心理テストが展開されている。30ページにわたる物語を辿るとマルチエンディングで性格診断がなされる。加えて、一方向の診断だけでなくクイズ要素もあり、問題に間違えると元のページに戻ることもある。これは、非常にゲームブック的だ。ただ、全ページにイラストがあしらわれ見開きイラストで大胆に状況の説明がなされるページがあり、女児本シーンの影響も強く感じさせる。そのため、これはゲームブックを取り入れた心理ゲーム表現と言える。

 

この心理テストの最後の診断結果は擬人化表現も用いられてたよ!

 

漫画を取り入れた心理ゲーム

朝日新聞出版社『心理テスト&うらないBOOK and more!(2023)』でも、特徴的な心理ゲーム表現がある。漫画によりおおまかなストーリー展開を提示しながら、主人公の選択を6問ほど読者にシミュレーションさせる仕組みになっている。物語の分岐はないが、選択の如何によって4パターンの診断がなされる。これは、場面の説明を漫画表現によって高めたものと思われる。

占いよりゲーム性が高い

女児本の題材として占いも人気である。占いと心理ゲームは明確に異なる。
占いの多くは診断に誕生日や血液型など選択できないことをもとに診断する。しかし、心理ゲームというのは、読者が選んだことに基づいて診断する。そのため、やり直す度に新しい選択をすることが出来る。この性質は、人の自分で選び、行動したいという欲求に合致している。また、自らの選択によって診断結果を変えることが出来るという性質は、読者が有能感を感じることに通じる。占いではこのような感覚は得られない。そのため、占いよりゲーム性の高い表現だと言える。そして、心理ゲームが満たす性質は、つまり、心理ゲームの診断は心理学に基づいていないが、エンターテインメントとしての発展は心理学に基づいている。

コラム 女児本にTRPGの影響がある?
近藤(2023)によると、『火吹山の魔法使い(1984)』がゲームブックの源流であり、それは『ダンジョンズ&ドラゴンズ(1974)』の楽しさを本として実現させようとした。とある。ゲームブックの影響が女児本シーンにあるなら、現代の女児本にはD&DをはじめとするTRPGの影響が残っていると言える。