brogmymxo’s diary

大学生なのに特別大学で楽しいことが一つもない。虐待と男子校病のせいにしてみる。 

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■『極地方式入門─現代の科学教育』(高橋金三郎・細谷純(編) 1974/1990 国土社 ISBN: 4337659188 \1,630)

2006/04/20(木)
~すべての子どもに高いレベルの科学をやさしく教える~

 「極地方式」という名前は聞いたことがあったし、そこで開発された教授法についても、ちょっと目にしたことがあったのだが、その「教授法」と、「極地」という名前の関係性がどうしてもわからなかった。ということは、「極地法とは要するに何か」ということがわからずにいた。本書ははじめて読んだ極地法の本なのだが、そのあたりのことが、ようやくわかったように思う。とはいっても本書の冒頭に、「極地方式ってどんなものか、ひとくちで説明してくれませんか」と聞かれても「ひとくちでなどいえるものではない」(p.5)とあるように、この本ではひとくちでは語られていなかった。しかし、私なりに理解はできたと思うので、以下に整理しておく。

 まず、「極地方式」とは、実践の内容的な特徴でつけられた名前ではない。それは、「実践の積み上げに関する新方式」(p.19)であり、「授業を、教材を、児童を、研究する方式」(p.33)なのである。そもそも極地方式とは、極地探検などの際に、大量に人材と物資を投入し、キャンプ地を作って次々に前進していく方式である(長尾『マッキンリーに死す』p.172)。それと同じように、「個々の教師の努力を、全体の統一計画の下に集団研究を行うことによって仮説的にまとめあげ、すべての教師が気軽に使えるテキストを作り上げることによって、よりすぐれた実践や、その実践の検証によるより高度の教育理論を、追求しよう」(p.166)というのが、教育における極地方式である。

 しかし話はここでは終わらない。これだけであれば、こんなやり方で作られた実践はすべて極地方式と呼べそうだが、そうではないのである。筆者らは極地方式を、どんな「極地」にでも適用しようと考えているわけではない。筆者らが目指しているのは、「すべての子どもに、高いレベルの科学をやさしく教える」(p.8)ことであり、その目的を達成するための方法としてこの方式を用いているのである。すなわち、この特定の目的に到達するための特定の研究方式が、極地方式なのである。

 では「高いレベルの科学」とは何か。これも、レベルが高そうであれば何でもよいわけではない。筆者らは、高いレベルの科学とは「広大で未知の大自然の中での、判断の土台となり、行動の基準となりうるもののこと」(p.50)と述べている。判断の土台となり、行動の基準となるものとは、簡単にいうと「ルール」である。たとえば「すべての主食にはでんぷんが含まれている」というような。そういうルールを身につけ、使うことで、より理解が深まると筆者らは、次のように考えている。

初めは、ほんのわずかな「事例」からでもよい、初めは、ほんの半わかりでよい、自分の考えを大胆に大自然に適用し、失敗しながらその「法則」を作りあげていくのだ、と私たちは、子どもについても、また教師自身についても、考えるのである。そしてこのような原理を、「生兵法実践主義」と名づけている。(p.70)

 このように、ルール学習を目標として、教師集団の力で高みに到達しようというのが「極地方式」なのである。名前は「研究方式」でつけられているけれども、目標が限定されているので、結果として実践の内容についても、かなり明確な方向性をもっている。しかしその方向性には「極地」という言葉は何の関係も持っていないために、名前と内容が合致しないのであった。おかげですっきりした。

 筆者らの到達した内容に関する知識には、非常に興味深いものが多い。「なぜ」と聞くより「その結果どうなるか」と聞くほうが有効、とか、半わかりとか本わかりとか。あるいは「教師が問い詰められて立往生したら、それは授業が生きている証拠」とか「討論で方言が飛び出すと、そこから本物の授業が始まっていく」(p.43)とか。その上、本書の最後には、第一次キャンプ的な内容の報告もある。それは、頂上アタックに成功した報告ではなく、教師なりに工夫して教材を提示したけれども、なかなか誤解や半わかりから先に進まない、でも生徒の考えについて多少の感触は得た、という段階の実践報告である。その先も知りたいところだが、しかし、こういう試行錯誤をやっているんだなあ、というのを目の当たりに知ることができた。懇談会の報告というのは、少なくとも出版物ではほとんど目にしないと思うが、教材を考えるための考え方を考える上では、ほかの人がこの段階でどういう工夫と失敗をしているかをしることは、かなり有益な情報になりうるのではないかと思った。

今日はうまく行ったと思って寝たら色々人生振り返り状態になっちゃってまじでねれない。

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