女児本シーン
現在本屋の一角にある、女児本スペースが大人に気づかれない内に、大きなシーンを形成している。
女児本シーンを現在作っているのは、おしゃれや教養などをJS向けに絵付きで説明するB6の本群である。
5ほどの出版社が作る多くの女児本が大まかな世界観を共有しつつ、先進的な表現が次々に生み出されてスタンダードが常に更新されている。
今までにも女児本はあったが、現代はまったく一線を画すものになっている。完全カラー化とイラストの増加である。2019年以前の女児本は少ない色で刷ってあるものが多く、文字だけでイラストがないページというものが存在することが多かったが、現在ではイラストやデザインがあしらわれていないページがある本はほぼ淘汰された。
シーンを象徴する技法①擬人化イラスト
ページ全体を使用した絵に小さめの大きさの字で説明を書くというスタイル
②ローコンテクストのキャラクター
この写真に登場する明らかに特徴のあるキャラクターはこのページにしか存在せず、とくに名前や設定などは存在しない。しかし、単純に絵面を華やかにする目的であしらわれていることが多い。
さんぷるキューブへの道
この女児本シーンという莫大なデザイン空間を活かして何かを作ろうと思ったときに、その当時行っていたのがHIPHOPのトラック作りである。HIPHOPのトラックは元ネタのレコードを切り抜いて、新しく音楽を生成する。 そのように、女児本をレコードに見立てて、新しい本を作ることが可能なのではないかという発想に至る。
また、当時インターネットやリアルで少女系の絵柄が「アンダーグラウンド」として面白がられているのを見て文化的立ち位置も近いのではないかと思えた。
加えて、実際に創作する際に大きく影響を受けたのが、YouTubeに存在する「東方改変PV」シーンである。
東方改変PVとは無料配布されているイラストに加筆や色変化を加えた画像を既存の音楽に乗せて、動かすことで新たな趣を加えることを主眼にしたMADに近いコンテンツである。アンダーグラウンドとなっていてマインドの相性も良かった。
このシーンを見て、画像に加工を施して色を変えることを思いついた。
最後にこの本の内容としてはカードゲームにした。100ページ意味のある文章を書けるようなジャンルがカードゲームにしかなかったので、勘弁してほしい。